樽柿の作り方

渋柿の収穫と脱渋

1.果実の収穫期

収穫は果面全面が着色して、完熟より少し前の固い果実が適します。収穫時期の遅れた平核無、蜂屋柿の完熟~過熱果は脱渋後に果肉が軟化します。
○柿のヘタまで色が回り果肉がしっかりしているもの。
×柿の色が照かっているもの。(過熟果)

2.使用アルコールと濃度

この方法は、新酒樽に果実を詰めておくことから始まり、現在はその成分であるアルコール散布へと発展したものです。散布アルコールの濃度は30~40%が適当で、自家用には市販の果実酒用ホワイトリカーが適しています。

3.脱渋処理方法

(1)適当な容器(一般にはダンボール箱)に、厚さが0.02~0.03ミリのポリエチレン袋を入れ、これに新聞紙又はクラフト紙を敷く。自家用には、透明で腰のないうすいポリ袋(0.03ミリ程度)でもよい。これより厚い肥料袋や漬物袋は脱渋中に黒変化が多発したり、刺激臭が生じるので適さない。

(2)次に、容器に詰めた果実の上に、庭木にじょうろで水を撒く要領でアルコールを散布する。アルコール水溶液は細かい水滴にして、容器の隅々まで一面に散布するのが良く、散布後ただちに密封する。

(3)アルコールの散布量は、品種により相違はあるが果実1kgにアルコール7~10ml(果実15kgに対し100~150cc)。

(4)脱渋処理後は、気温変化の比較的少なく温かい所に静置する。ポリエチレン袋を使用したもので10日~2週間位で脱渋される(常温15度前後)。脱渋期間は熟度の進んでいるもの程短く、大果は小果より一般的に熟度が進んでいて、脱渋がはやい。また、収穫後しばらく経過してから、脱渋処理したものは、脱渋期間がやや長くなる。温度が10度高くなると、脱渋期間は2.5倍はやくなる。35度以下であれば高温ほどはやく脱渋する。

(5)脱渋期間後に開封しても渋みが残っている場合は、開封の状態で1~2日置くと完全に脱渋されます。